こんにちは!
今日は、最近改正された宅地建物取引業法(宅建業法)に関する重要な話題についてお話しします。
2023年4月1日から、宅建業者には建物状況調査(インスペクション)の告知・斡旋が義務化されました。
この改正がどのような影響を及ぼすのか、詳細を見ていきましょう。
1. インスペクションとは?
インスペクションとは、既存建物の基礎や外壁のひび割れ、破損、天井の雨漏りなど、建物の劣化状況を専門家が調査することです。
中古住宅の売買が盛んなアメリカやヨーロッパでは、家を購入する前にインスペクションを行うのは当たり前となっています。
日本でも、消費者が中古住宅の品質や状態に不安を感じることから、インスペクションの需要が高まっています。
2. 改正宅建業法のルール
今回の改正により、宅建業者には以下の3つの義務が課せられます:
- 媒介契約において建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面の交付
- 買主等に対して建物状況調査の結果の概要等を重要事項として説明
- 売買等の契約の成立時に建物の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面の交付
これにより、宅建業者は買主に対し、インスペクションの内容や結果について説明し、適切な業者を紹介する責任を持つことになりました。
3. 調査内容と費用の相場
インスペクションの調査内容は、基礎や外壁のひび割れ、欠損などを目視で確認する非破壊調査が中心です。
耐震性や省エネ性の評価、設計図書との照合などは含まれません。
費用の相場は1回あたり4~6万円とされていますが、低価格競争が起きる可能性も懸念されています。
4. 宅建法改正に伴う問題
普及の見込みと信用性の担保
法律で義務化されたとはいえ、インスペクションが普及するかどうかには不安があります。
というのも、仲介業者からは、手間や時間が増えるだけでメリットが見えにくいとの声が聞かれているからです。
また、売主主導のインスペクションでは、買主に不利な情報が隠される可能性も指摘されています。
調査資格者と団体
調査を行うのは「既存住宅状況調査技術者」の資格を持つ建築士です。国土交通省が講習を行い、技術者の育成に力を入れていますが、まだまだ技術者のスキル不足や報告の質に対する懸念もあります。
5. まとめ
今回の宅建業法の改正により、インスペクションが義務化されることで、中古住宅の品質向上が期待されます。
しかし、その普及や信用性の確保には課題も多く、今後の動向に注目が必要です。インスペクションを利用する際には、信頼できる業者を選び、しっかりと説明を受けることが重要です。
以上、「Home Craft Dictionary」からの最新情報でした。次回もお楽しみに!
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